症状と治療

気になる治療の種類を
選んでください。

薬物療法
ホルモン療法

ホルモン療法(内分泌療法)4, 5)

乳がんには、体内の女性ホルモンによって、がん細胞の増殖が活発になる性質のものがあります。
ホルモン療法は、ホルモン療法薬を用いて体内のエストロゲン(女性ホルモン)の働きを妨げたり、エストロゲンが作られないようにして、がん細胞の増殖を抑える治療法です。
したがって、ホルモン受容体(エストロゲン受容体)に感受性のあるタイプの乳がんに対する治療として選択されます。ホルモン療法薬には飲み薬と注射薬があります。また、ホルモン療法薬だけで治療することもあれば、化学療法薬や分子標的薬と併用して使うこともあります。

ホルモン療法を受けられるかどうか、また、どのような種類のお薬を使うかは、
あなたの体の状態(閉経状態、ホルモン受容体の有無、これまでどのような治療を受けたか、
病気の進行スピードなど)によって異なります。

主なホルモン療法薬

閉経前:
LH-RH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)作動薬、抗エストロゲン薬(SERM※1、SERD※2)

閉経後:
抗エストロゲン薬(SERM※1、SERD※2)、アロマターゼ阻害薬など

※1 選択的エストロゲン受容体モジュレーター
※2 選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター

ホルモン療法薬でみられる
主な副作用の症状

ホットフラッシュ
(ほてり、のぼせ):

  • 突然汗をかく、暑くなる
  • 動悸
  • 睡眠障害 など

生殖器の症状:

  • 性器出血
  • 腟分泌物の増加
  • 腟の乾燥
  • 腟炎 など

血液系への影響:

  • 血栓
  • 肺動脈塞栓症 など

関節や骨・筋肉の症状:

  • 筋肉の症状
  • 関節痛、関節のこわばり
  • 骨折 など

精神・神経の症状:

  • 頭痛
  • 気分が落ち込む
  • イライラする
  • やる気が起きない
  • 眠れない など

アドバイス

気になる症状などがあれば、
一人で悩まずに担当医・看護師・
薬剤師に相談しましょう。
また、副作用には個人差があり、
薬剤によって副作用が出ない場合や
副作用の特徴は異なります。
ご自身が受けられる治療によって
起きる可能性がある具体的な副作用に
ついては
担当医・看護師・薬剤師に
確認してください。

出典:

  • 4)日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2023年版:金原出版 第7版
  • 5)日本乳癌学会編:乳癌診療ガイドライン1 治療編 2022年版:金原出版 第5版