症状と治療

治療の選択

私たち1人1人が違うように、
病状や、治療も人それぞれ違います。
自分にあった治療法は、
その時々の体調や病気の
進行によっても変わってきます。

この先治療を進めていく中で、
治療に関する知識をつけることも
必要ですが、
「ご自分が、どのような
暮らしを大切にしたいか」を
考えること、そして周りに
その意志を
伝えることがより良い治療選択の
ために大切になってきます。
以下のポイントを念頭に、
治療の種類を確認していきましょう。

1まずは、自分がどういう
暮らしを大切にしたいか

治療方針を決めるまでに、
時間がなかったり、考えることが
多すぎて
なかなか前に進めないと
感じることもあると思います。

治療は日々の暮らしと大きく
関わります。
情報収集をはじめる前に、ご自身が、
治療をする中で何を大切にしたいか、
暮らしのイメージがあることで、
ご自分も、医師や医療スタッフも
それ
に向かって、治療選択やサポート方法
を考えることができます。
体調や
気持ちの変化によって、暮らしの希望
が変わることはもちろんあります。
その都度考える時間を持って、
周りの方に共有しながら治療を進めて
いくことが大切だと考えます。

2治療の選択肢を知る 
(メリット・デメリット)

体調や、日々の暮らしに合わせて
その時々にご自分にあう治療法は
変わってきます。
また患者さんのより良い暮らしのために日々研究が進められていて、
新しい治療薬も登場しています。

今、ご自分が受けられる転移乳がんの
治療にはどのような選択肢がありうる
のか、
治療法の特徴が整理できると
医師との治療選択も納得のいくものに
つながるでしょう。

31人で悩まず、医療機関
や医療スタッフへ相談を

世の中には、がんの治療に関して
様々な情報で溢れています。
専門的な用語も多く、
どれが正しい情報なの?と
混乱してしまうのも当然です。

ですので治療を進めるにあたって、
「相談できる人を見つけること」は
とても大切です。
困った、迷った、と思った時には、
医師だけでなく看護師や、
ケアサポーターなどの
医療スタッフや、病院によってはがん治療専門の
窓口があるところもあります。
治療は日々の暮らしに関わるので、
社労士さんなどお金の相談ができる人
もいると心強いでしょう。

かかりつけの病院や
地域の医療支援窓口などを
ぜひ調べてみてください。
近くにない場合は、オンラインや
電話で相談を受け付けている機関も
あります。

1人で迷わず、相談を

あなたが暮らしの中で大切にしたいこと、
そして
それに応じた治療の選択肢を知る
ことが納得のいく治療へとつながります。
治療方法への疑問や、今の生活への不安。
医師以外にも医療スタッフや専門機関に
相談して行きましょう。

出典:

  • 「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版」(日本乳癌学会編:金原出版第6版)